Keynote動画と共に振りかえるSteve JobsとAppleの歴史(後編:iPhoneの時代の幕開け 2007-2011年)

後編では、iPhoneが登場する2007年からSteve Jobsの最後のKeynoteとなる2011年のWWDCiCloud)までを振り返ります。iPodintel Macで築いた資金とユーザーベースを基にAppleiPhoneiPadでそれぞれスマートフォンタブレットという二つの市場を切り拓いていき大成功を収めることになります。しかし、その一方でJobsの健康状態は急激に悪化の一途を辿ります。病に冒されながらもAppleファンの期待に応えるために新製品のKeynoteをやり続けるJobsの姿勢も同時に見ていただきたいと思います。

2007/01/09 Macworld Expo San Francisco:iPhone & Apple TV


そしていよいよ伝説のiPhone紹介のKeynoteです。iPodの時とは違い、iPhoneはこれから新しいmobile computingの世界を切り拓いてくデバイスなんだ、という思いに相応しい構成と内容のスピーチになっています。(特に出だしの3分は、JobsのKeynoteの集大成と言えるほど最高のイントロです。)「2年半近く前からこの日が来るのを待ち望んできた」ということですから、2004年半ばの最初の膵臓がん摘出の手術の前後にiPhoneプロジェクトの構想は始まっていたことになります。(その頃のUSAは、imodeの劣化版のようなネットサービスに繋げられる程度の携帯電話しかありませんでした。) そう考えると、やはり2005年の怒涛のような方向転換は、全てこのiPhoneを実現・成功させるのに不可欠なユーザーベースと現金の獲得のためにやっていたのだという解釈が説得力を帯びます。smartphoneを実現するようなmobile networkすら無かった頃から、なぜmobile computingを手がけようと思ったのかは分かりませんが(近日発売される自己伝の中で明らかにされるかもしれません)Steve Jobsという人物の執念と実行力の強さを思い知らされるkeynoteとなりました。

2007/06/11 WWDCLeopard & Safari 3.0 for Mac/Windows

2007/08/07 Apple Special Event:iMac (Aluminum)

2007/09/05 "The Beat Goes On" Special Event:iPod Touch

2008/03/06 Apple iPhone Software Event:iPhone SDK Preview

2008/06/09 WWDCiPhone 3GiPhone OS 2.0、 iPhone SDK、AppStore

(2:40からSteve Jobsのプレゼンが始まります。)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0610/wwdc01.htm

2008/09/09 "Let's Rock" Special Event:iPodシリーズ刷新、iTunes Store Movie Rental HD

http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080910/apple6.htm

2008/10/14 Apple Special Event:MacBook Pro (Unibody)

2009/01/06 Macworld Expo San Francisco:17" MacBook Pro (Unibody, internal-battery)

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0108/mw03.htm
Appleが参加する最後のMacworld Expoとなりました。この時はSteve JobsKeynoteを行っていません。

2009/01/14 Steve Jobsが治療の専念のために病気休暇をとる

http://www.apple.com/pr/library/2009/01/14Apple-Media-Advisory.html (英文プレスリリース)
この時にはスイスのバーゼルまで赴いて最先端の放射線治療を受けたとされています。
詳しくは以下のリンクを参考にしてください。
http://netafull.net/apple/036821.html
http://togetter.com/li/197441

2009/06/08 WWDCiPhone 3GS with iPhone OS 3.0 & Snow Leopard

http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/20090609_280890.html
大きな発表が目白押しだったにも関わらず、Steve Jobsの復帰はなりませんでした。彼が参加できなかったWWDCは、Apple復帰後これが初めて。

2009/09/09 "It's only rock and roll, but we like it" Special Event:iPodシリーズ刷新

Steve Jobsが療養から復帰して初のKeynote。盛大なる拍手で迎え入れられました。肝臓移植を受けたと明かします。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090910_314634.html

2010/01/27 Apple Special Event:iPad

2010/09/01 Apple Music Event:iPodシリーズ刷新, Apple TV 2

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20100902_391128.html

2010/10/20 "Back to the Mac" Special Event:新MacBook Air

2011/01/17 Steve Jobsが再び治療専念のために休暇をとる

http://jp.techcrunch.com/archives/20110117steve-jobs-to-take-medical-leave-of-absence-stays-on-as-ceo/
この治療の時には、既に死期が近いことを知らせれていたようです。
http://maclalala2.wordpress.com/2011/10/08/ジョブズ最後の日々/
この時以降に行われる二つのKeynoteには特別な思いが込められていたことだと思います。

2011/03/02 Apple Special Event:iPad 2

2011/06/06 WWDCSteve Jobs最後のKeynote):iCloudOSX Lion、iOS 5

1:19:00の所からSteve JobsiCloudについての説明とデモを始めます。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20110607_451139.html

2011/08/24 Steve JobsAppleのCEOを辞任

2011/10/04 Apple Special Event:iPhone 4S

Tim Cookが後任CEOに就いてから初のKeynoteになります。最初に見た時は、やはりJobsがいなくて少し地味なKeynoteに思えました。しかし、Jobsの体調が危ないということを、幹部たちが知りつつ行ったものだとして見てみると全く違った意味合いをもって見えてきます。

2011/10/05 Steve Jobs逝去

その前日に行われたiPhone 4Sの発表会を後継者の幹部たちによって無事行われたのを見届けてから、息を引き取られたとのことです。最後の最後まで自分の築きあげてきたAppleという組織・そしてそれを取り囲むコミュニティ、そしてテクノロジーで如何に世界を変えていけるかという事を考えながら生き抜いた証左と言えるのではないでしょうか?